部屋を探す際のピークは、年度が切り替わる直前、すなわち2月から3月に焦点が当たります。

この時期は不動産業者や引っ越し業界にとっても非常に忙しく、値引き交渉を試みても相手にされにくい状況です。

最近では引っ越し業者も年度の変わる時期に手が足りず、仕事を制約せざるを得ない事態も見受けられます。

不動産オーナーもこの時期ならば確実に需要があるため、わざわざ値引きせずとも入居者を確保できるのです。

しかし、一方で新年度が始まれば一気に部屋の需要は収束します。そのため、空室がある場合、

不動産業者や大家は積極的な入居者集めの手段を考えなくてはなりません。

都心のターミナル駅周辺などでは通年で賃貸需要がありますが、

大学生に頼る物件など、特定の地域では4月を逃すと翌春まで入居者が見つからないこともあります。

こういったエリアの物件では家賃交渉のチャンスがあります。

駅が各駅停車しか停まらない場所であったり、都心から距離がある場所でも、

少々の不便さを受け入れられるなら、家賃の交渉が可能でしょう。

ただし、家賃を直接値下げすることで毎月の収入が減少してしまうため、

家賃交渉には応じないとする大家もいます。

このような場合、狙いを定めるべきは初期費用である敷金や礼金、また仲介手数料などの値下げ交渉です。

礼金は大家の純粋な収入となる費用であり、大家が利益を削っても構わないという合意があれば、

比較的簡単に値引き交渉が可能です。

仲介手数料は通常、入居者が不動産屋に支払うものですが、

大家にとってもその負担を減らせないかという交渉が考えられます。

敷金は部屋の退去時に清掃などに充てられるため、節約が難しい部分もありますが、

それでも初期費用を削減するためには敷金2ヶ月を1ヶ月にするなどの交渉が可能です。

さらに、敷金の支払いをなくし、部屋の退去時に清掃費や修繕費などを実費支払いに変更するという交渉も検討できます。

その他にも、フリーレントを1ヶ月から2ヶ月付ける形の交渉も可能です。前家賃を節約できる上、

「最低でも1年は住み続けます」といった契約条件を提示すれば、大家も交渉に応じやすくなります。

また、一定の期間は家賃を割引し、2年目から通常の家賃に戻すといった交渉も考えられます。

自身が一定期間入居するという条件を契約に盛り込むことで、大家にとっても確実に空室を埋め、

収入を見込めるため、交渉に応じる可能性が高まります。